かすログ

ゆうぽむなんだね

声優たちのビクトリーロード

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これが異次元アイドルだ!

 そんなわけで、にじよんあにめーしょん2が始まりました。前置きは良いので感想を語っていきます。

 

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 冒頭にして本日のハイライトの不良(ダークエンペラーズ)化しずく。おそらく本編ではできないような口と歯の形でさすがに笑います。

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 「どうせまた役作りの一環でしょ」「育ちの良さが滲み出てるよ」としずくへの理解度高めの発言をするかすみ。素晴らしきしずかす。

 「喧嘩上等ですけれどもあーん?」の言い方が面白すぎて割と何回聴いても飽きない良さがありますね。特に「あーん?」の伸ばし方。キャスト陣が楽しそうで何よりです。

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 一瞬出る素の表情。かわいい。

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 炎の熱血教師、優木せつ菜さんです。可愛いです。GTN(グレートティーチャー中川)、多分過酷なライブとかしてるスクールアイドルを庇ってくれます。

 あと林鼓子さんの声が熱血教師の男っぽい感じの演技に凄いハマってたなって思います。キャスト陣が楽しそうで何よりです。

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 このカット、にじよん2期の発表映像で最初に映った場面なので印象にも残っていて、てっきりせつ菜が同好会メンバーに何か遊びなどを提案するシーンかと思ってたんですが、まさか熱血教師として教室に入ってくるシーンだとは思わないじゃん?

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 熱血教師の登場後、急に静かになってチョークの音だけが鳴り響くシーン、ちょっとシュールで面白いんですよね。

 多分、あんなに荒れてたのに一応ちゃんと座るんかい!っていうギャグを引き立てるための静かさだとは思うんですが。

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 柄悪い組に対してちゃんとエプロン作ってる愛さん。ここからは私の推理にはなってしまうんですが、愛さんが真面目にエプロン作ってるのは実家の仕事的にエプロン作るのは普通に実用的だから?

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 急に教室の床が下から迫り上がってくるシステム。変な間取りすぎる。

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 でも窓はあるらしい。

 教室の床がハイテクだったり、エマとランジュが窓から入ってきたり(ここ何階だよ)、この色々と現実離れした登場シーンとかが、オチへの布石だったんだろうなと思います。

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 食堂破りか、それなら問題無いな。食道破りだったら普通に内臓破壊だから致命傷だけど、食堂なら問題無いな。(初見時、一瞬食道の方かと思いました。)

 あと右のランジュになんか既視感あったんですが……

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 これですね。

【#44#45】コミックムービー「にじよん シーズン4」#44「ランジュと自己紹介①」#45「ランジュと自己紹介②」 - YouTubeより。

 栞子がエルシャダイのPVみたいなこと言ってて笑いました。

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鋼のシスコン番長、近江彼方

五条勝みたいなメガネ、天王寺璃奈

 武器持って複数人でボコろうとしてるので、「ステゴロ(素手で闘うこと)とタイマン(1対1で闘うこと)の意味知ってる?」という中須かすみさんのツッコミは至極ごもっともなんですけど、逆に言うと中須かすみさんはステゴロとタイマンの意味をちゃんと知ってるということ?

f:id:odaiba_sumitai:20240412144032j:imageこの目のカット地味にかっこいい

f:id:odaiba_sumitai:20240412010612j:image魔王ザハンド歩夢
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 上原ぁぁぁ!!唐突すぎるぞ上原!!弱そう。でもかすみが押されてたので結構強いらしい。あまり悪役慣れしてなさそうな笑い声が注目ポイントです。

f:id:odaiba_sumitai:20240412134708j:imageA・ZU・NA、魔王多くね?

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 君たちいつの間にその服に着替えたの?まぁこのあり得なさがオチへの布石(略)。

 今回の三船栞子さん、主に「〇〇してしまいました!」と困惑してばかりで可愛いですね。みんなみたいにボケに回るわけでもなく、かすみみたいにツッコミに回るわけでもなく、この振り回されてる感じが栞子らしいなと思います。

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 まぁ、彼女もあと何話かしたらぶっ壊れるのが確定してるんですけどね。

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BGM『雨上がり、差す光』

 多分だけどこういうギャグシーンで使うようなものじゃないと思うんですよね、これ。いやむしろギャグシーンで作中トップクラスの感動要素を使うというギャグなのかもしれない。秋葉名戸との試合中にジ・アースとか使い出したら笑うでしょ。

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 あと桜坂しずくさんはなんで定期的に後ろに「⁉️」マークを出現させてるの?化身?

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f:id:odaiba_sumitai:20240412012246j:image中須かすみさん、かわいい。

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脈絡なぁぁい!!!

 さっきまで魔王側だっただろ!なんで急にその服着て味方みたいになってんだ!上原ぁぁぁ!! 脈絡ねぇぞ!!まぁこのあり得なさが(略)。

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メインヒロイン、今日の格言

「まとまらなくたって、全員の向かう先がバラバラだって、それが私たち、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会!」

 『雨上がり、差す光』のシーンといい、どう考えても無茶苦茶なのに何良い話風にまとめようとしてるんだ!ってツッコミたくなるような場面が続きますね。もうこのあたりから中須かすみさんもツッコミを放棄しだすのでツッコミ不在の恐怖になるわけですが。

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 このシーン、他にも小ネタがあったりするのかもしれませんが、自分が唯一にして速攻でわかったのは、しずかすのポーズが5thライブのオフショだかで前田佳織里さんと相良茉優さんがやってたポーズのオマージュということですね。キャスト陣が楽しそうで何よりです。

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 と、ここまでは全部高咲侑の妄想だったというオチ。考える侑のポーズはアニメ本編1期にもあったシーンのオマージュですね。

 途中にあった色々と脈絡の無い展開も全て侑の頭の中の出来事だったと思えば納得。同時に、ここまでの話は全部侑の脳内でのことと考えると、侑が各メンバーに対してどんな印象を持っているのかが見えてくるということ。例えば高咲侑の中でも中須かすみってツッコミ役のイメージなんだなとか、高咲侑は上原歩夢に悪役をやってみて欲しいと思ってるんだなとか色々な見方ができるようになってくるのが面白いポイントだなと思います。高咲侑、しずかすのオタク説。

 一度オチまで見て真相を理解した後でまた見返すと新しい見方ができるみたいなのはまぁよくある手法だとは思いますが、それをまさかにじよんで見ることになるとは思っていませんでした。

 というわけでにじよん2期1話本編の振り返りでした。

 全体を通して思ったのは、1期1話は初のにじよんアニメ化であることや、高咲侑のにじよんへの初の本格参戦であることもあってか、各メンバーの簡単な顔出し&主題歌にある「ヒトリダケナンテエラベナイヨー」の披露という割と平和にまとめた感じの印象でしたが、対して2期ともなると、メンバーの名前を出すあたり一応初回であることは意識しつつも、もう視聴者もわかってるだろうし初っ端から飛ばして問題無いよな?とでも言いたげなカオス回から始まったなと思いました。

 あと虹ヶ咲でギャグをやる上で中須かすみさんってこんなに重要人物だったんだね……。

 番宣映像の時点で確定してるイカれシーンはまだまだ残ってるので、今後もこの狂気を楽しんでいきたいと思います。あとゆうぽむ回を待ってます。

 

 続いてEDムービーの話。

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 まぁ、さすがにカップリング部門はゆうぽむが最強でしたね。ゆうぽむレベルになると、特別なことをせずとも、ただ登下校をしているだけでイチャつきシーンになる、そんなゆうぽむの強さを見せつけられているようなカットでした。

 ちゃんとゆうぽむの象徴であるパスケースが見えてるのも良いポイントです。

 ただこれはカップリングとしての話で、キャラ単体部門としては圧倒的なかわいさで優勝をもぎ取った子がいます。

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 高咲侑にゴッドキャッチされる中須かすみさんです。

 後ろ向きにジャンプする動き、ジャンプ前の表情、ジャンプ中の表情、着地して抱きしめられてる時の表情、どれも圧倒的なかわいさで文句無しの優勝です。

 最初見た時は飛んでくるかすみを侑がその身で受け止めてるように見えて、侑の身体能力で大丈夫なのかそれ!?って思いましたが、よく見たらかすみは侑の前あたりに着地してるので侑に身体ごとぶつかりに行ってるわけではないんですよね。侑の身体は無事で済んだ。

 あとコートを広げる侑のポーズがちょっと、露出狂の人間がよくやるコートの中身の全裸を見せつけるポーズみたいに見えて笑いました。

 記事タイトルがタイトルなんでもう少し無理矢理イナイレネタぶち込むと、侑の広げてるコートがマントみたいに見えて、ちょっと鬼道有人っぽいですね(無理矢理)。あと今回の話に出てきたしずくのサングラスもちょっと影山零治っぽいですね(無理矢理)。あと鬼頭明里さんって名前ちょっと鬼道有人っぽいですね(無理)

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 あ、今回もう1人マント着けてた子いるじゃん!実質ゆうぽむ要素!

 あとはデックスコラボのチャイナ服や巫女服を始め、作品外での虹ヶ咲の活動で登場した姿が作中に逆輸入されてるのが良いなぁと思いました。

 それでは今回はこの辺で。次回は林鼓子さんverの中川菜々登場回ということでとても楽しみです。

 

 ちなみに虹ヶ咲学園校歌のCDに封入されてるシリアルのイベントは、宇宙人に学校を破壊されたニジガクメンバーが最強のスクールアイドルチームを作るために全国を巡る「にじたび2」だと思います。ファイア公演とブリザード公演がありそうなので全通したいですね。

AP3分クッキング

 今回は遂にライブ前日ということで、簡単な事後報告程度の記事にしようと思います。

 愛知公演以降、歩夢と『Walking Dream』という曲への気持ちが高まっていたのですが、この気持ちをぶつける意味も込めて、スクフェス2での『Walking Dream』をAP(ALL PERFECT)できるように目指すことをしました。

 というわけで、完成したものがこちらになります。
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 はい、判定強化スキル持ちのキャラをたくさん編成に組み込んだので純粋な実力100%ではないですが、なんとか各難易度にAPマークを付けることには成功しました。

 できるようになるまで何回も曲を周回しまくっていたので、しばらく脳内で『Walking Dream』が流れ続けるくらいには洗脳された気がします。

 とはいえ、目標達成のために地道にゲームをプレイし続けるというのは歩夢らしいというか、歩夢もこういう感覚なのかなーと感じられたのは良かったです。

 

 とりあえず最初の目標である全難易度APは達成できたので、そのままの勢いでスコアランキング入りも挑戦することにしました。

 APチャレンジの際は『Walking Dream』衣装の歩夢でリザルト画面のスクショを撮りたかったのでセンターは固定でしたが、ハイスコアを目指すならその縛りは厳しいので外しました。ついでに、サービス開始から今回まで虹ヶ咲のキャラしか編成に入れてなかったのですが、今回初めて他作品のキャラも解禁しました。

 というわけで最終的な編成がこちらになります。

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 センタースキルでの上昇効果が手持ちの中で1番強い花丸をセンターにしました。フレンドにもこの花丸をサポートに出してくれている人がいたので助かりました。

 このユニットで何回もプレイした結果……

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なんとか5位にランクインできました。(2024/01/12時点)せめて10位にでも、くらいの気持ちだったので思ったよりは高い所に入れて良かったです。

 自分の手持ちではこれ以上は難しそうなので一旦ここまで。今後抜かれる可能性は大いにありますが、とりあえず神奈川公演に備えてランクインできて満足です。

 高いスコアを出すために各キャラの能力を見ながら編成を変えていったり、先ほども書いたようにまだ自力APできるほどの力は無いのでプレイしながら少しずつPERFECTを出せる率を増やすなどプレイスキルも身につけたり、多分リンクラを走ってる人達ってこんな感覚なんだろうなと思いました。

 まぁ、スコアで神奈川公演の座席が決まるとかでもなくただの自己満足の世界なので全然気楽ではあるんですが。

 

 で、スクフェス2って曲のプレイ回数(スキチケ含む)が確認できるのですが、以前の自分はその数値をなぜか999回でカンストだと思っていまして、最後にスキチケなり使ってプレイ回数をカンストさせて神奈川公演の準備を完了としよう!と考えていました。

 というわけでスキチケ使いまくった結果がこちらになります。

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なるほどな!

 まぁ3桁程度でカンストはしないですね。とりあえず1000回は超えたってことでこちらも神奈川公演の準備は完了ということにします。

 これから時間をかけてゆっくりと何回もプレイしていこうと思います。どうせ難易度MASTER実装されたらフルコンとかAP達成するのに何回も挑戦することになりそうですし。というより判定強化無しでの各難易度APもいつか達成したいので、長い付き合いになりそうです。

 

 というわけで、それぞれまだ上を目指す要素は残っているのですが、AP、スコア、プレイ回数という3つの形で、スクフェス2にて『Walking Dream』への気持ちをぶつけてきました。

 以前は虹ヶ咲で気持ちが高まった時はスクスタで好きな子のキズナレベルを上げるとか、キズナボードを解放してもっと強くしてあげるとか、上限未解放のカードを上限解放するとか……他にも色々とスクスタで気持ちを形にする方法ってあったのですが、スクスタが終わってからはそれもできなくなっていました。

 ですが今回の挑戦をキッカケに、スクフェス2で好きな楽曲に向き合うというやり方もあるんだなと感じられました。

 スクフェス2に限った話ではないですね。他にも今回のようにブログを通して改めて楽曲の歌詞や衣装などについて考えを深めてみたり、色々なやり方があるなと実感します。

 スクスタというわかりやすい愛情表現(?)のツールが無くなったからこそ、これからは自分なりに様々なやり方を模索していきたいなと、今回の経験を通して考えました。

 それでは明日からの6thライブ神奈川公演、そして今後の虹ヶ咲も楽しんでいきたいと思います。

 

 あ、あと「お前かすみ推しじゃなかったっけ?」というツッコミは禁止です。

 

※最後に、今回書いた『Walking Dream』関連の記事タイトルの元ネタをまとめておきます。

・歩夢をのぞくとき、歩夢もまたこちらをのぞいている→哲学者ニーチェの言葉、「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」より。歩夢がオペラグラスをで客席を覗く演出と、こちらも同じオペラグラスで歩夢を見つめられることから。

・薄紅色の研究→本文中でも書きましたが、コナン・ドイルシャーロック・ホームズシリーズの作品『緋色の研究』より。歩夢の衣装が探偵服っぽいこと、歩夢のメンバーカラーであるライトピンクは日本語で薄紅色になることから。

・AP3分クッキング→キューピー3分クッキングより。文中で「〇〇したものがこちらになります」みたいな言い方を多様したのは、料理番組のお約束です。

・歩き続けてどこまでゆくの?、君といっしょに→『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』の主題歌、『風といっしょに』とその冒頭の歌詞より。前者の記事のタイトルを決めた時点ではまだ後者の記事の内容は真っ白だったのですが、後者の考えがまとまるに連れて前者の記事とセットという意味も込めてこれに決めました。前者は疑問提起系の記事という点でもマッチしてるタイトルじゃないかなと思ってます。

君といっしょに

 はい、以前書いた記事について、今後もまだ考えていく余地はあると思うのですが、一旦の自分なりの考えを書いていきたいと思います。

odaiba-sumitai.hatenablog.com

 

 今回考える上で1番参考になったのが、やはりストーリーのこのシーンでした。

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 あなたの頑張ってる姿や、なにかに夢中になっている姿を見守っていたいという歩夢の言葉。

 「頑張ってる姿」や「夢中になってる姿」というのが、「夢へ歩いている状態」と言えるのではないかと思います。

 

 冒頭の

Walk in a dream with me

『Walking Dream』より

という歌詞。この「dream with me」というフレーズから、歩夢のソロ曲『Dream with You』を思い出しました。

 あの曲は歩夢の「私の夢を一緒に見てほしい」という気持ちを歌った曲でした。それに対して「with me」ということは、おそらく「あなたの夢を私にも見させてほしい」という気持ちを歌っているということ。

 最初は自分の夢を追いかけるのにあなたの存在を必要としていた歩夢が、今度はあなたが夢を追いかけるのに自分の存在を必要としてほしいと思っている、というのがこの曲なのではないかと思います。

 ちなみにこのフレーズについて考えているとき、「Walk to」ではなく「Walk in」なのが気になっていたんですよね。「私と一緒に夢に向かって歩いていく」ではなく「私と一緒に夢の中を歩く」になる理由。

 これもさっきのストーリーのシーンを見てなんとなく答えが浮かびました。歩夢は「頑張ってる姿」という夢を追いかけている姿だけでなく、「なにかに夢中になってる姿」という、ただその人の好きなことを楽しんでいる姿も見守っていたいと言った。この「夢中になってる」というのが「夢の中」に結びつくのではないかと思うのです。

 「Walk to a dream(夢に向かって歩いていく)」だと、夢を目指して頑張っている人のことしか指せないけど、「Walk in a dream(夢の中を歩く)」と言うことで、夢というほどのものは持っていないけど好きなことに夢中になっている人のことも指せる言葉になっているのではないかなと。

 この、夢に向かって頑張っている人だけでなく、好きなことを楽しんでいる人のことも同じくらい肯定するのは虹ヶ咲らしいなぁと感じます。

 

 Dメロの

「輝きもトキメキも切ないなんてWalking dream」

『Walking Dream』より

という歌詞、ここは正直どうもしっくり来る解釈ができていないです。「輝き」や「トキメキ」が「Walking dream」しているとはどういうことなのか、どうしてここで「切ない」という言葉が出てくるのか(せつ菜は関係ない……と思いますが)、ということについてはまだまだ考える必要がありそうなので、今後の課題にしようと思います。

 ただ、『Fly with You!!』の歌詞に

TOKIMEKIのストーリー

KAGAYAKIの軌跡

『Fly with You!!』より

とあるように、「輝き」と「トキメキ」って表記違いはあれど両方の曲に登場する曲なんですよね。(とはいえ、『Fly with You!!』のインパクトが強すぎて『Walking Dream』にもこの2単語が入ってることに意識が向くまで少し時間がかかりました。)

 というより、そもそも『Fly with You!!』のこのフレーズがスクスタの最初と最後の曲からそれぞれ由来しているのでしょうが。

 『Fly with You!!』とはどういう曲なのか、虹ヶ咲という作品において「輝き」「トキメキ」とはどういうものなのか、それについて掘り下げることで『Walking Dream』のこのフレーズについてもう少し見えてくるものがあるのかな?という気はします。

 

 先ほどの歌詞の意味の取り方が難しかった一方、

「離れても隣でもいつでもずっとWalking dream」

『Walking Dream』より

こちらの歌詞は意味の解釈はしやすいのではないかと思います。「一緒にいられる時もあれば離れ離れになる時もあるけど、いつでも私は夢に向かうあなたのことを見守っているよ」という、あなたを想う歩夢の気持ちが綴られているのではないでしょうか。心は一緒、的なやつです。

 

 さて、この曲の歌詞にある「Walking Dream」という言葉の中でも、サビのラストにある

そうだよ"Walking Dream"

『Walking Dream』より

そうでも"Walking Dream"

『Walking Dream』より

の箇所は、どうも意味を上手く取ることができませんでした。

 ただ、このあたりの歌詞は「"Walking Dream"」というように「""」によって囲われています。ついでに言うと、「""」に囲まれている箇所とそうでない箇所では「Dream」の頭文字が大文字か小文字かの違いもあります。この「""」を「固有名詞であることの表現」だと仮定したら、ここの「"Walking Dream"」は当初の解釈通り、「歩夢のことで頭が一杯になるための言葉」ということで良いのではないかなと考えました。

 「Walking dream」は「夢へ歩く」、「"Walking Dream"」は「歩夢」と解釈すると、曲全体を通して歌詞の意味も取りやすくなるのではないでしょうか。

 

 曲の箇所ごとの話をしてきたので話が散らかってきたこともあり、曲全体を通しての話としてまとめます。

 この曲は、これまで夢を追いかける自分を「あなた」に支えてきてもらってきた歩夢が、今度は夢を追いかけたり、好きなことに夢中になる「あなた」のことを支えたい、見守りたいという気持ちを歌った曲なのではないかと思います。それが歩夢なりの愛であると。

 だから『Walking Dream』という言葉には「歩夢」という意味もあれば「夢へ歩く」という意味もある。そしてこれは歩夢の始まりの曲である『夢への一歩』や『Dream with You』から精神的に進化した曲なのかなと感じました。

 また、この「あなたが私の夢を応援する」「私があなたの夢を応援する」という相互関係は、6thライブのテーマである「愛の交換」にも繋がるのではないかと。

 

 というわけで、改めて『Walking Dream』という言葉の意味について考えてみました。

 虹ヶ咲は初めは「あなた」がメンバーの夢を応援することを重視していたコンテンツでしたが、2期最終話を特に大きな契機として、「あなた」の夢を応援することも大事な要素になっていると思います。

 そんな今だからこその魅力がある曲なのではないでしょうか。

薄紅色の研究

 今回はひたすら「Walking Dreamの衣装って可愛くない?」ということを話すだけです。

 

 というわけで早速ですが衣装がこちらになります。

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めちゃくちゃ可愛いですよね。

 これまでの歩夢の衣装も可愛くて魅力的なものが多かったですが、一気にトップクラスに躍り出たくらいこの衣装は好みにブッ刺さりました。

 『Walking Dream』の曲自体が相手のことを探りまくっているニュアンスというのもあってか、衣装の方も探偵服風、もっと言うとシャーロック・ホームズのパブリックイメージにある服装を女の子風にアレンジしたような衣装だなという印象です。

 ベージュないしブラウンを基調とした全体像に、ケープくらいの短さの外套、服装に合わせたデザインの帽子などがポイントですね。ホームズといえば虫眼鏡のイメージもありますが、観察対象が事件現場などではなく人間になっているので、虫眼鏡から双眼鏡になっているのでしょうか。

 その中で、ケープや帽子の柄に入った赤などのライン、スカートの末端に付いているフリル、頭にちょこんと乗るくらいのサイズに小型化された帽子、赤いヒールの靴などによってオシャレに可愛くアレンジされていると思います。

 

 この衣装の好きな所としてはまず髪型ですね。いつものお団子を解いて、ここに来てのストレートヘアーがとても可愛いです。帽子が頭をすっぽりと覆うサイズではなくて小さいサイズなことによって、髪型を隠すことなくしっかり強調されていて良いです。

 また肩のケープもデザインがオシャレで好みですし、このサイズ感が可愛らしいです。

 スクフェス2の画像だと見えないですが、ケープの肩の部分には金色の装飾が施されていて、胸元の赤いリボンとあわせて『Say Good-Bye 涙』の衣装もうっすらと彷彿させてきます。

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 あぁ、そういえば歩夢が初めて尾行という行為をしたのも『Say Good-Bye 涙』のキズナエピソードでしたね。

 他には、腕の部分は遠目で見ると普通のブラウスのように見えて、よく見るとシースルー素材になっていて中の歩夢の腕もしっかり見えているというのが面白いし可愛いですね。

 夏目漱石は「I love you」という言葉を「腕が綺麗ですね」と訳したという逸話がありますないです。

 あとはハイソックスなのかタイツなのかはわかりませんが脚の部分も好きです。脚にも衣装と同じような色や柄が反映されていて、より全体像の統一感が強まっているように感じます。スクフェス2のイラストではポーズと構図もあって脚の良さが引き出されていると思いますよ。

 夏目漱石は「I love you」という言葉を「脚が綺麗ですね」と訳したという逸話がありますないです。

 

 ところで、この衣装がシャーロック・ホームズっぽいという話を先ほどしましたよね。シャーロック・ホームズシリーズといえば今回の記事タイトルの元ネタである『緋色の研究』から登場したジョン・H・ワトソンが、ホームズのような推理役ではないものの物語の語り手でありホームズの相棒という重要な役割として描かれるわけですが、これがスクールアイドル活動をする歩夢と、それを支える「あなた」の関係にもリンクしているのかな?と、今回の衣装が持つ探偵っぽさについて考えているうちに思いました。

 

 というわけで以上、『Walking Dream』の衣装がめちゃくちゃ可愛いというお話でした。

歩夢をのぞくとき、歩夢もまたこちらをのぞいている

 今回は『Walking Dream』のライブパフォーマンスについて語りたいと思います。

 6th愛知公演以来この曲への熱が高まっているのですが、その要因としてはライブでの大西亜玖璃さんのパフォーマンスが魅力的だったから、というのが実は大きいんですよね。

 曲の特徴である「あなたを見つめる」ことを盛り込みつつ、あなたのことが大好きな巨大感情を抱えた歩夢の可愛らしさや苦悩する様子を、身体の動きや顔の表情で見事に表現されていて、この曲の持つ魅力が一気に倍増されたように感じました。

 そんなパフォーマンスの好きな所を、愛知公演の振り返り&神奈川公演での注目してほしいポイントという意味も込めて書いていきます。

 

 ライブで『Walking Dream』が始まってまず目に入ってきたのは歩夢(以下、大西亜玖璃さんのことはライブの世界観にあわせて歩夢と表記します。)の首からぶら下がる双眼鏡でした。

 パンフレットの写真ではスクフェス2のイラストで歩夢が持ってるものに近いようなクラシックなデザインの双眼鏡でしたが、ライブでは今回のグッズになっているピンクのオペラグラスになっていましたね。

 この「ライブグッズを使っている」というのはとても大きいポイントだと思います。パフォーマンス中には歩夢がオペラグラスで客席の方を覗く振り付けが何回かありますが、こちらも歩夢と同じオペラグラスを使って歩夢のことを見ることができるのですから。「今目が合った!」のレベル100バージョンができるようなものです。

 自分も今回のグッズのオペラグラスは気に入っていたので購入して愛知公演に持ち込んだのですが、それもあってかなりライブで歩夢が作り出す世界観に没入できたと思います。(とはいえ、基本的にはステージ全体を見ていたかったのでオペラグラスで一点集中する時間は数秒程度でしたが。)

 オペラグラスを使ったパフォーマンスとしては、1番Aメロの冒頭が印象的です。ここにいないはずのあなたを見付けてしまい、ショックを受けたような表情でオペラグラスを落とす振り付けに歩夢の心情がよく出ているなと思います。

 2番Aメロの冒頭でデータを保存といいつつオペラグラスを指さす振り付けも可愛くて好きです。スマホの小道具が無いからオペラグラスで代用した、というのもありそうですが、「データを保存」という言葉が、音源では「スマホにあなたの画像データを保存した」というニュアンスだったのに対して、ライブではその瞬間限りの時間だからこそ、「オペラグラスであなたのことを目に焼き付けた」というニュアンスに変化したのかな?という解釈もできるような気がしました。

 

 他のパフォーマンスでいうと、やはりサビで手をうさぎの耳のように頭上で動かす振り付けが印象的です。

 歩夢に関係する動物といえばやっぱりうさぎ!というのもありますが、うさぎといえばやっぱり寂しがりなイメージがある動物なので、この曲のサビでうさぎをモチーフとした動きをするのは凄く納得だなぁと思いました。うさぎのもうひとつの特徴である「性欲が強い」は関係ないと思いたいですね。

 うさぎでいうと、全体的にぴょんぴょん跳ねるような動きの振り付けが多いような気がして、これもうさぎをイメージしてたりするのかも?

 跳ねるような動きもそうですが、ステップを踏むような振り付けも多くて、『Walking Dream』の曲名らしく「歩く」という要素を取り入れているのかもしれません。

 

 そして個人的に最も印象的だったポイント。それがラスサビ前の演出です。

 『Walking Dream』のリリックビデオが公開された時から、ラスサビ前に隙間から覗くように歩夢の目が表れるシーンインパクト大だったのですが、ライブでは一度物陰に隠れた歩夢がゆっくりとそこから顔を出す、という形でリリックビデオのシーンを再現しているのが凄く好きです。

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 スクスタがあった頃のライブはバックモニターにスクスタのMVが表示され、その前でキャストがパフォーマンスすることによる一致度がライブの面白さでしたが、スクスタが終わってから発表された楽曲でもこういう新しい形でバックモニターとの一致を演出してくれるのは良かったですね。

 顔を出した後、また1番Aメロのようにオペラグラスを覗いてショックを受けたような表情をするのも好きです。

 

 というわけで『Walking Dream』のライブパフォーマンスについて語ってきました。「あなたを見つめる」というのがこの曲の大きな要素になっていると思うので、そんな歩夢の愛に応える意味も込めて、こちらも歩夢のパフォーマンスを思う存分見つめてしまいたいと思います。

歩き続けてどこまでゆくの?

 早速ですが今回は疑問提起をしたいと思います。湧いてきた疑問について、まだ自分の中で答えは特に浮かんできていないけど、「こういう疑問を持っている」ということを明確に言葉にしておくことで、未来の自分がそれについて頭の片隅で考えておいてくれるだろう……みたいな感じです。

 

 というわけでお題なんですが、「『Walking Dream』の曲名や歌詞にある『Walking Dream』とはどういう意味なのか」です。

 いや、といっても半分は考えが浮かんでいるんですよ。Walking Dreamは「歩く」と「夢」で「歩夢」になるので、曲名としては歩夢らしさが溢れた曲であることを表していて、歌詞としては途中でWalking Dream(歩夢)と連呼することで相手の心と頭を歩夢で一杯にしようとしていることを表しているのではないかと、公式的な正解はともかく自分の中ではそういう解釈でまとまってはいます。

 ただこれはWalking Dreamを「歩夢」と解釈した場合の話であって、Walking Dreamを普通の英訳……例えば「夢に向かって歩く」とかでしょうか。そのような解釈をした場合は話が変わってきます。

 例えばDメロの

「輝きもトキメキも切ないなんてwalking dream」

「離れても隣でもいつでもずっとwalking dream」

『Walking Dream』

という歌詞も、先述のようにWalking Dream(歩夢)を連呼するという「行為」の意味はわかるとしても、この「言葉」そのものの意味というのは自分の中ではまだ明確ではありません。

 

 夢に向かって歩くことがこの曲のタイトルだとして、じゃあ歩夢の夢って君を私に閉じ込めること?「夢にまで見た完璧なストーリー」のこと?というのもちょっと違うような気がします。

 

 というわけでまとめると、「Walking Dreamという言葉を『歩夢』と解釈するのではなく普通の言葉として解釈する場合(『夢に向かって歩く』とか?)には、この曲の曲名や歌詞はどのような意味を持つのか」ということについて、今後自分なりに考えていきたいなという話でした。

 良ければこれを読んでくださった方も、この話題に興味があったら考えてみてください。

 

 一応、この記事を書いた後で自分なりの回答は一旦出たので、また後日記事を上げるつもりです。

 6thライブ愛知公演以降、『Walking Dream』への熱が高まっているので、『Walking Dream』に関する記事を今日から神奈川公演前日まで毎日上げることができたら良いな……とほんのり思っています。

愛と罪の話

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 というわけで5thアルバム『Fly with You!!』がリリースされたことで、ラブソングのフルが公開となりました。今回のラブソングで特に個人的に刺さった2曲について感想を書きたいと思います。

 スクフェス2で配信されているラブソング編のストーリーはまだ完結していない状況ですが、今回は曲とストーリーを絡めた話ではなく曲単体を聴いた感想ということで。

 

Walking Dream

 というわけで今回刺さった1曲目は歩夢のラブソングです。

 といっても今回は「ゆうぽむが〜」という話にはならないです。曲が生まれたのがスクフェス2の世界だから侑は存在しているとはいえ、この曲は自分の中では侑や「あなた」に対する百合CP的なものではなく、いつか歩夢が異性と恋愛することになった時の恋愛観を歌った曲のイメージだからです。(というか歩夢に限らず、明確に愛さん宛てと言っている璃奈を除けば全員がこのイメージです。)

 曲の中身の話に入りますが、この曲の歌詞は歩夢が相手のことを隅々までチェックしている様子や、他の子に目移りすることをダメだと断じている様子など、愛の大きさゆえの知識欲や独占欲が感じられる描写があり、見ようによっては「怖い」とも感じられる歌詞をしているなと思いました。

 スクスタでもアニメでも歩夢の尾行シーンがあったりと、これまで描かれてきた歩夢の人物像として個人的には腑に落ちる歌詞です。

 ただその一方で、メロディや歌声は終始一貫して可愛らしく、歌詞抜きで見れば可愛さ100%の曲と言っても良いくらいだと思います。これは歩夢の可愛さを引き出す大西亜玖璃さんの歌声がシンプルに凄いなと。

 よく考えると愛の大きさゆえに少し怖いと思える所もあるかもしれないけれど、基本的な所作などは可愛さで満ちている。そんな歩夢のキャラクターへのイメージがそのまま曲に繋がっているように自分は感じました。

 また、相手のことを監視(チェック)しつつ、相手が欲しがっていた靴を買ってあげているところには歩夢の献身的な性格が表れているのも好きなポイントです。

チェックしてた靴 買ってあるの ねえ

今すぐ帰ろう 私と

 余談ですが、ここの歌詞はスクフェス2で試聴した時は「買ってあるもんね」なのか「買ってあるの ねえ」なのかがハッキリ聴き取れなくて、「相手が以前チェックしてた靴を最近買ったことまで歩夢は把握している」という意味なのか「相手が欲しがってた靴を歩夢が買ってあげている」という意味なのか判断に迷って歌詞カード公開待ちでした。結果としては普通に後者でしたね。

 2番になると自分と相手の人が運命で結ばれた者同士であることを主張するかのような、「逆Pretender」みたいな歌詞だなと思いました。

 そして、その根拠が相性占い、星座、プロフなど占いの類ばかりなところに歩夢の少女趣味が出ているのかもしれません。

 自分は歩夢の特徴のひとつが今書いた「少女趣味」だと考えています。例えば、『Dream with You』のMVでは小さい女の子が好む童話『不思議の国のアリス』がモチーフになっているものが散見されたり。

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 その少女趣味の延長として、占いなどを好み、それを恋愛の根拠にするのが歩夢らしさということになるのかな、と。

 あとは、相手が他の子に目移りすることを「ちょっとだけ間違えた」と表現するセンスはかなり好きですね。

 「Walking Dream」という直訳すると「歩夢」となる直接的すぎるワードが曲名でもあり、曲中にもDメロを始め多数登場するわけですが、まさにこの曲は「Walking Dream(歩夢)」がたくさん詰まった、歩夢らしさ全開の曲なのではないでしょうか。

 また、この「Walking Dream」の連呼には少し言葉が強いですが洗脳(「サッカーやろうぜ!」的な)のような役割もあるのかなと思いました。あなたの頭の中を歩夢でいっぱいにしてみせる、みたいな。

 

 この曲について改めて考えた際に思ったことが、この曲はこれまでにも書いてきたように歩夢の「愛が大きい」という特徴と「可愛らしい」という特徴に加えてもうひとつ、スクスタなどで描かれてきた彼女の特徴……「普通の子」という要素も含まれているのではないかということです。

 先ほど、愛の大きさゆえの「知識欲」と「独占欲」というワードを出しました。

 これって別に歩夢が特別というわけではなくて、大抵の人間は何かを好きになった場合にこういう欲求が出ることはおかしくないのではないかと思います。程度と対象が違うだけで。

 人を好きになったら、その相手のことを知りたいと思うのは普通のことかと思います。人が恋人に浮気されたりした時に怒るのも普通のことだとは思いますが、これも人は恋人に対して一種の独占欲を持っているからではないでしょうか?

 「対象が違う」と先ほど書きましたが、例えばそれこそオタク趣味なんてそうではないでしょうか。

 対象が恋愛の相手とかではなくても、好きな作品、キャラ、アイドル、声優など、好きなものについて色々知りたいと思うのは大体の人はそうだと思います。

 また、「独占」という言葉は「独り占め」とも言えるわけですが、このアルバムに収録されている他のメンバーのラブソングでも「独り占め」というワードが含まれている曲って結構多くて、やっぱり独占欲って恋愛において普遍的な気持ちなのかなとも考えられます。

 このように、何かを好きになった時に知識欲や独占欲が出るのは多くの人にとって共通の「普通なこと」なのではないかと思うわけです。

 まぁ、大抵の人はその知識欲や独占欲が暴走して法を犯さないように境界線は守っていて、その一線を超えてしまう人のことを現代社会では「ストーカー」と呼ぶわけですが。

 この曲の歩夢がその一線を守れているかはどうなんでしょうか。歌詞を見ていると、あなたをずっと見つめていたい・あなたを閉じ込めたいという気持ちはありつつも、言えない・できないというようなニュアンスも感じることができて、これはちゃんと踏みとどまれている側の曲なのかな?とも思います。

 

 ともあれ纏めるとこの曲は、愛が大きくて、そんなところも含めて可愛らしくて、普通の女の子である上原歩夢らしさが詰まった曲なんだなという感想です。

 

咬福論

 現状自分の中で再生回数トップの曲です。メロディと歌声がひたすらに好きなのですが、ここらへんはかなり感覚的な好きなので理屈的にどこが好きかというのは割と難しめの曲でした。

 この曲についてまず語りたくなるのはやはり曲名についてでしょうか。

 栞子の歯は確かに彼女のチャームポイントだと思いますが、意外と作中でそこに触れられたことって少ないと思うんですよね。一方、ネットの世界では栞子に咬まれたい(?)という欲望を見かけることは多い気がします。それもあって、まさか公式で「咬」という字を出してきたということは衝撃的でした。

 「幸福論」と「咬む」という言葉を合わせた造語のような曲名にオシャレさを感じます。また、「幸福論」とかかっているだけあって、栞子にとっての「幸福とは何たるか」がしっかりと描かれているのが良いなと思います。

 あとこの曲、実は歌詞の中で具体的に栞子が相手に対してどんなことをしているのかって直接は言及されていないんですよね。痕(きずな)を残すとはどういうことなのか、相手が首筋を抑えるのはなぜなのか。歌詞中には答えは無いけれど、曲名を見れば「栞子が相手の首筋に噛み付いて傷痕を残す」という光景を思い浮かべるには十分な情報量ではないでしょうか。

 

 曲の中身の話に入ります。

 この曲でも当然栞子の恋愛観が描かれているわけですが、その中身については前述の『Walking Dream』とは2つの点で対照的に感じました。

 1つ目は意外性。『Walking Dream』については先ほども書いた通り、スクスタやアニメでも歩夢が尾行するシーンがあったりと、曲中で描かれている恋愛観は正直「まぁ歩夢ならこうなるよね」と割と想定内なものでした。

 一方、『咬福論』で描かれた恋愛観の内容は「栞子ってこんな恋愛を望むんだ!?全然予想つかなかった!」と驚くようなものでした。まずここが正反対ですね。

 2つ目は普遍性。『Walking Dream』はこれも先ほどの感想の終盤で触れた通り、自分はこの曲のように相手のことを知ろうとしたり、独占したくなるような気持ちは程度の差はあれど誰にでもあるようなものだと考えています。

 一方『咬福論』はというと、歌詞のどのあたりに注目するかにもよりますが、正直かなり特殊な恋愛観だと思います。この曲を聴いて「あー俺も恋人の首筋に咬みついたりしたなぁ」みたいに共感する人ってそうそういないのではないでしょうか?(「2人だけの秘密を持ちたい」という点でならもう少し普遍性は上がりそうですが。)ここも正反対な点です。

 

 この曲の歌詞で好きなポイントは、栞子の中にある相反する感情かな?と思います。

 縛っていたくもないけれど、「秘密」によって相手を縛っているようにも見える。恋人なら何しても良いなんて嫌と言いつつ、実際にしている行為は恋人だからといって全く問題が無いような行為ではないように思える。

 そんな、相手のことを大切に想う彼女の気持ちの中に微かに混ざるワガママな気持ちが魅力的な歌詞だと思いました。

 

 先ほども少し触れましたが、この曲はサビの部分になると中々変わった恋愛観が描かれていますが、1番2番共通してサビ前に「二人だけの秘密」というワードが出てくるように、この曲には「お互いしか知らない秘密を共有することで愛の証とする」という恋愛観も描かれています。

 後者の恋愛観は前者と比べてかなり共感しやすいですし、ロマンチックで好きだなぁと思いました。

 

 あとはこの曲、全体的にワードセンスが好きだなと感じています。

 「痕」と書いて「きずな」と読ませたりとか、「大好きをしよう」という隠語的な表現があったりとか。

肌身離さず持っていて

二人だけの秘密

 この歌詞の「肌身離さず持っていて」というのもかなり好きです。「秘密」というのが何なのかはこの後サビでわかるわけですが、確かに指輪とかよりも確実に肌身から離すことのできない、2人の関係性の証になるものですね。なんせ身体に刻み込まれているわけですから。

 一方で、そんな語彙力の高さが魅力的な曲の中で

想像だけでニヤニヤです

というストレートな表現があるのが逆に好きです。これはかすみのラブソングである『背伸びしたって』が全体的に大人っぽい歌詞の中で

いつまでもラブラブでいよう

とあるのが可愛らしく見えるのに似ている感覚だと思います。

 

 『Walking Dream』と『咬福論』について語ってきました。

 『咬福論』の話の中で、2曲の恋愛観は対照的に見えたという話をしてきましたが、ここまで2曲について考えてきた中で、逆に共通するポイントが見えてきました。

 それは「愛ゆえのインモラルな行為」です。

 『Walking Dream』は相手への愛ゆえに相手のことを監視してしまうような恋愛観が描かれていますが、これは見ようによってはストーカーという犯罪行為にもなり得ます。

 『咬福論』では相手に傷をつけることで愛情を表現しています。相手の同意があるので警察沙汰にはならないと思いますが、これも言ってしまえば傷害に値する行為とも言えるでしょう。

 どちらの曲も相手への愛を理由に社会的には悪とされるような行いをしているのです。アルバムを通して聴いても、そういう悪い行いをしているような曲ってこの2曲だけだと思うんですよね。

 愛ゆえに犯す罪。それがこの2曲に通じる概念であり、自分が惹かれた理由なのかな?と思いました。確かに、現実においてはさすがに肯定できませんが、創作物を楽しむ際においては愛のために罪を犯すような展開って割と好きかもしれません。

 元々は表題曲である『Fly with You!!』も含めて3曲の感想記事を書く予定だったのですが、この2曲の共通点に気付いたので今回はそれをテーマに2曲の感想を語ることにしました。

 

 というわけで以上、『Walking Dream』と『咬福論』の感想でした。書けそうだったら他の曲の感想記事も書こうかなと考え中です。